今年は、例年になく暖かかったので、白鳥は少し早めに帰り始めたようです。例年、1箇所に150羽ほどいるのですが、今年は50〜60羽ほどになっていました。
田んぼの水を抜いて、白鳥が飛立つのを促すだけですが、2〜3日中に水が引き、そうするとそろそろ帰ろうかと、白鳥たちはシベリアに向けて飛び立つのだそうです。
白鳥が飛立つと、いよいよ稲作の準備に入ります。白鳥に削られたあぜを補強したり、田んぼ全体にできた高低差をならしたりと、田んぼの修復作業が始まるのです。
当日は、そのきっかけをつくるのが目的でしたが、田んぼでのセレモニー?が終わると、中村さんの奥さん手作りの料理で、お腹を満たしました。
フキノトウのてんぷらや、菜花と梅をまぜたおむすびが、春を感じさせてくれたし、あんこが中に入っただし巻き風のあんころもちは大の人気でした。
昨年はじめた白鳥とのお別れ会をきっかけに、中村さんは田んぼの準備を例年より早く始めることができ、昨年は今までにない稲作に成功しました。
近所の人は「今年はあれほどひどかった草がないね。除草剤でもまいたのかね」といわせるほど、ぼうぼう草だらけだった田んぼがうそみたいに、草が影を潜め、立派な稲が育ったのでした。
「去年がたまたま偶然だった、といわれないように、今年、きちんと稲を育てなくちゃならん」と、中村さんは気を引き締めて、参加者に誓うのでした。
今年の成功を祈って、白鳥さん、中村さんとお別れしてきました。きっと今年も成功するよ、と思い、祈りながら、、、、。